
鮒ずしは"臭い"と思っておられる方も多いと思います。漬け方は店それぞれ、家それぞれのものがあり、自ずと匂いも味も違います。"臭い"のが本当だと思っておられる方には存念ですが、当店の鮒ずしはさほど匂いはしません。又、"現代風に食べ易く"しているわけではございません。江戸時代膳所藩お抱えの御用料亭でありました本家の製法を忠実に守り伝えております。本来手間、暇かけて製造し、上質な醗酵を経た鮒ずしは異臭はしないものなのです。料亭で膳の一品として作られていたものですから他の品を台無しにするような鮒ずしを膳の一品に加える理由はないのです。
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| ■明智光秀伝説に異議あり |
| 織田信長が滋賀県安土城で徳川家康を接待した際、接待の役を任ぜられたのが当時大津坂本城の城主でありました明智光秀。この饗応の宴に"鮒ずし"を出し、信長から叱責をくらい足蹴にされ、これが後の本能寺の変の一因の一つであるという話であります。確かに当時の宴会に"鮒ずし"が出されたのは事実で献立にも残っておりますが、これは"鮒ずし"が臭いという固定観念を持った後世の歴史家の作り話であると思えてなりません。これが本能寺の変の原因等と伝われたのでは地元で名君と云われた明智光秀と鮒ずしがあまりにもかわいそうでなりません。是非一度伝統の味を御賞味下さい。 |
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| ■鮒ずしができるまで |
| 鮒ずしはなれずし(熟れずし、馴れずし)の一種で稲作技術と共に大陸から日本に伝わったと云われています。はっきりした起源や発祥地は分からない程、古いものです。千年以上昔の諸国から宮中へ献上された諸国の産物に近江の鮒ずしがあります。琵琶湖の鮒と江州米が生みだした天恵のハーモニーと云えます。先年鮒ずしは滋賀県選定民族文化財にも選ばれました。鮒ずしは塩漬けからごはんによる本漬けをへて自然発酵し熟成させます。多量の乳酸菌とビタミン各種を含んでおります。又、醗酵により骨まで柔らかく召しあがれますので、当然カルシウムも豊富であり、湖国滋賀では自家製鮒ずしを病中病後に薬のように食する風習もあります。春の子持鮒も早ければ翌年の元旦頃には召しあがれます。昔から全国を又に掛けて活躍した近江商人は各家で作った鮒ずしをこの正月に一家に集い食し、今年の出来具合を品評するのも楽しみの一つでありました。 |
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